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2つのTVドラマ②

IMG_4222 (480x640) やまぶき


② 二つめは「やすらぎの刻~道~」です。 えーっと気が抜けてしまうでしょうか。「昼ドラかー」と。しかし、どっこい、こんなところで骨太のTVドラマを延々とやっていたなんて。 本来NHKでやってほしかったと思います。元々は一昨年の「やすらぎの郷」の続編シリーズです。その時は、単に懐かしの俳優たちが出演する、というので「見てみた。」「見てみたら」やはりただものではなく、老人問題(認知症から恋愛問題まで)を老人俳優たちが本気で演じることで、嘘っぽくなく、視聴率もとったのでした。そして、その続編でまた同じことを、やるかと思えば、見事に裏切られ(倉本 聰に)なんだ、若者の成長期もののNHKの朝ドラの追随か、と思ったら、また裏切られ、本当は、倉本聰がやりたかったことはこれだったのか、ということが今や、明らかになりました。テーマは「戦争というもの と 市井の人」です。脚本が実に巧みな、入れ子構造になっています。
  
  「やすらぎの郷」の続編でありながら、骨は昭和16年頃の戦前から戦争に突入する時期の農村が舞台であり、その人たちの
運命(戦争に翻弄される)であり(私たちは、その後の満蒙開拓団を知っているが故に、その時代と現在の私たちが入れ子として重なり合う)また、その時代でもやはり老人たちが問題を引き起こし(問題は問題ではない)いつか老人になる青年の恋と入れ子構造になっているのです。「認知症の老人が、かつて若いころ、愛した相手に会いに行くと言って、山道を三里も歩くだろうか?」という問に、主人公の青年が「俺たちも、いつか老人になって・・・(みればわかる)」とは言いませんが、そのように思いを馳せるとき、初めて老人問題を考える視点が示されるのです。 そして、いつも戦争では、弱者が犠牲になるがゆえに、「問題」になってしまい、だからこそ、戦争へのストッパーになるのですが・・・このような国策として戦争を、正面きって批判をする。テレビ朝日の昼帯の時間に展開するのに、倉本氏が前シリーズの高視聴率を利用したのでは、と私は、勘繰るのです。実に何重にも入れ子構造なのです。


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2つのTVドラマ

IMG_0003 (480x640) (480x640)山シャクヤク

現在、TVドラマで、シリーズで視聴しているものが2本ある。それについて:
①  一つは、NHK BSでやっている「刑事フォイル (原題Foyle’s War)」である。
 一昨年 第一シリーズが放映され、現在は第二シリーズである。第一シリーズでは’War’と言っているのは第二次世界大戦を表現している、のだが、フォイルは刑事として、市井の殺人事件や詐偽や強盗事件を追う。そこで、もう一つ「闘う」のは・・・。まず、驚きなのは、戦時下でも、「普通の」警察がイギリスには存在していたのか、ということ。 日本で、戦時下に警察というと「特高」しか浮かばない。「特高警察」はもっぱら思想犯に対して(でっち上げも含め)治安維持法を乱用し、戦争に協力しない人間を取りしまっていたから、一種、軍隊といってもよい。戦時下でも民事に絡む殺人事件などもあったはずなのに、日本では、ともかく戦争一色である。イギリスでも、もちろん、そこには戦争が関わるわけだが、(なぜなら、刑事事件は、多分に社会が生み出すからである)-そのスタンスでドラマが製作されている。そして、そこが真骨頂。

  つまり、戦争中では、殺人(敵国人に対する、また戦争に反対する同国人や隣国人に対するもある)は大義の陰でどうでもいいこととなってしまいがち。その中での痴情関係のもつれの殺人や戦争の英雄の汚職は「やってもいいこと」「たいしたことではないこと」として処理されがち。なのに対して(実際、ドラマの中で権力者が、そう口にする)フォイルは敢然と正義を貫く。「いけないことはいけない」と-偉人に忖度しない。
感心するのは、脚本で。「正義を貫く」といっても完全懲悪のどこかの時代劇のようにはならず、人間の心の機微を見通す洞察力をもって、然し、忖度も同情もせず(偉人ばかりとは限らない。戦争の犠牲者のような犯罪人もいる)倫理観が確立している人間として描かれる。権力には阿らない。

第二シリーズでは、第二次世界大戦が終結し、イギリスは台頭してきたソ連と勝者のアメリカそしてナチスの残党(といってもイギリスに取り込まれている)の間に立って、ますます、人間としての倫理観が試される立場にいる。つまりWar が常態化している。そしてフォイルはなんと、立場も立場、MI-5に所属するのである。しかし彼の倫理観は健全である。彼のお抱え運転手だったサムーおっちょこちょいなところがある―と彼女の夫が―国会議員である―政治の世界に身を置きながら、潔癖を貫けるか-を合わせ見ると、ドラマがますます、面白い。

   背景枠組みは、全部史実とおり。例えば、最新の「ハイキャッスル」の「モノビッツ強制収容所」というのもアウシュビッツの第3群の収容所として存在していて(していた。壊滅したらしい) そこで、ドイツのイーゲーファルベン社(重化学工業)がナチスと協力してー云々。戦後、人道に対する罪に役員などが問われ全員有罪ー云々 という話。実名だもの。 ビジネスの世界では、どこの自国とは関係なく、例えばアメリカは、戦争に乗じて、イギリスに協力し、金を稼ぎ、なんと裏でナチスとつながっていたなんてことは想像ができることだけれど、その前に「シンドラーのリスト」のようにナチスの「悪」からユダヤ人を助けるアメリカ人もいるという単純な脚本があり(スピルバーグ)だね) これが、日本のドラマだと、母国に戦争協力したら、よくて、敵国に協力したら、非国民という、(裏返しで、最近やけに外交官の杉原千畝を持ち上げるTVバラエティーが多いけれど)そういう単純な話になってしまいがち。 一方、「フォイル」では、以上のような複雑な国際情勢を踏まえながらも、個人、自分は、強制収容所の存在を知っていて、どうふるまうのかが、問われているのですよね。(1985年ヴァイツゼッカー大統領の演説にあった如く)そういう倫理の問題に、戦争の話を置き換える脚本(アンソニー・ホロビッツ)が素晴らしい。
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プロフィール

Ali  Batoota 

Author:Ali Batoota 
アリ バトゥータ
年齢・性別・国籍-不詳
関心事は、ファッション、政治、教育、言葉、生物、映画-なんでも

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